こんにちは。管理人のsinoです。
脳性麻痺の評価で最も有名な評価の1つであるGMFCS。脳性麻痺に関わるのであれば、知らないとはいえないものですねえ。
今回はそのGMFCSを誰でもわかるように説明します‼︎

まとめはこちら。

脳性麻痺の基礎知識

2017.10.22

GMFCSとは何か?

GMFCSとはGross Motor Function Classification System の略で、日本語では粗大運動機能分類システムと呼ばれます。
カナダで開発された脳性麻痺の重症度分類です。
2007年に拡張・改訂されて、GMFCS E&Rとも呼ばれます。

GMFCSは重症度で5段階に分類(レベルⅠ,レベルⅡ,レベルⅢ,レベルⅣ,レベルⅤ)されます。
年齢が上がるにつれて運動機能が上がるため、以下のように年齢別で5段階に分類されます。

  1. 2歳の誕生日の前日まで
  2. 2歳から4歳の誕生日の前日まで
  3. 4歳から6歳の誕生日の前日まで
  4. 6歳から12歳の誕生日の前日まで
  5. 12歳から18歳の誕生日の前日まで

では、それぞれの年齢別での詳しい分類を説明します。

GMFCSの5段階の分類

2歳の誕生日の前日まで

  1. レベルⅠ
    座位への姿勢変換ができ、手をつかずに座位ができる。四つ這い・つかまり立ち・つたい歩きができる。2歳までに歩ける。
  2. レベルⅡ
    座位ができるが、手をつくことがある。ずり這い・四つ這い・つかまり立ち・つたい歩きができることがある。
  3. レベルⅢ
    腰を支えて座位ができる。ずり這いができる。
  4. レベルⅣ
    頭部はコントロールできるが、座位は体幹を支える必要がある。寝返りができる。
  5. レベルⅤ
    腹臥位や座位で頭部・体幹を上げたまま保持することができない。寝返りができない。

2歳から4歳の誕生日の前日まで

  1. レベルⅠ
    手をつかずに座位ができる。座位と立位の姿勢変換ができる。移動手段は歩行である。
  2. レベルⅡ
    座って両手で遊ぶと不安定。座位への姿勢変換・立ち上がりができる。移動手段は交互性のある四つ這い・つたい歩き・歩行である。
  3. レベルⅢ
    不安定だが、あぐら座位ができる。ずり這い・交互性のない四つ這いができる。つたい歩きや歩行器歩行ができる時がある。
  4. レベルⅣ
    手をついて座位ができる。移動は寝返り・ずり這い・交互性のない四つ這いである。
  5. レベルⅤ
    自力での移動は困難で、移動は介助にて行われる。

4歳から6歳の誕生日の前日まで

  1. レベルⅠ
    椅子座位・立ち上がりができる。屋内・屋外を歩き、階段昇降ができる。走行、ジャンプができるようになる。
  2. レベルⅡ
    椅子座位・手をついて立ち上がりができる。屋内・屋外を歩ける。手すりにつかまって階段昇降ができる。走行、ジャンプはできない。
  3. レベルⅢ
    椅子座位ができる。歩行器などで歩ける。介助で階段昇降ができる。
  4. レベルⅣ
    椅子座位ができる。歩行器などで歩ける場合があるが、方向転換は困難である。
  5. レベルⅤ
    自力での移動は困難で、移動は介助にて行われる。電動車椅子で移動できる場合がある。

6歳から12歳の誕生日の前日まで

  1. レベルⅠ
    屋外を歩き階段昇降ができる。走行、ジャンプはできるが協調性に欠ける。
  2. レベルⅡ
    屋外を歩ける。手すりなしの階段昇降は困難。長い距離の移動は歩行器などを使用する。
  3. レベルⅢ
    屋内を歩行器などを使用して歩く。立ち上がりは手をついて行う。手すりをつたって階段昇降できる場合がある。
  4. レベルⅣ
    短距離を介助で歩く。移動手段は寝返り・ずり這い・四つ這い・電動の移動機器を使用する。身体的介助を必要とすることが多い。
  5. レベルⅤ
    移動は介助で車椅子で行われる。電動車椅子で移動できる場合がある。移乗に介助を必要とする。

12歳から18歳の誕生日の前日まで

  1. レベルⅠ
    屋外を歩き階段昇降ができる。走行、ジャンプができるが協調性に欠ける。
  2. レベルⅡ
    屋外を歩ける。手すりなしの階段昇降は困難。長い距離の移動は歩行器などを使用する。
  3. レベルⅢ
    屋内を歩行器などを使用して歩くことができる。移乗は手をついて行うか介助を必要とする。移動手段は手動車椅子または電動車椅子が多い。手すりをつたって階段昇降できる場合がある。
  4. レベルⅣ
    短距離を介助や歩行器などで歩く。移乗に介助を必要とする。移動手段は手動車椅子または電動車椅子が多い。
  5. レベルⅤ
    移動は介助で車椅子で行われる。電動車椅子で移動できる場合がある。移乗に介助を必要とする。

まとめ

今回は、脳性麻痺の評価で最も有名な評価の1つであるGMFCSを説明しました‼︎
読んでみると、とてもシンプルです。
これからはGMFCSと聞いた時にはすぐに5つの分類が頭に浮かんで、評価できますね‼︎

 




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